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useful上場企業、後継経営者の育成進まず

更新日:2018.03.09|お役立ち情報 新着情報 経済

 「計画なし」が5割、現経営陣への配慮で

 企業統治のあり方を示す「コーポレートガバナンス・コード」(企業統治指針)の適用からまもなく3年になる。

 指針は経営者の後継ぎを育成する計画をつくるよう求めているが、思うように進んでいない。

 経済産業省の調査では「文書の計画が無い」と答えた企業はおよそ半数にのぼる。

 計画が存在するかどうか分からない企業と合わせると約8割に達する。

 2015年6月に適用が始まった統治指針は企業の取締役会に対し、最高経営責任者(CEO)などの後継者に関する

 計画を適切に監督するよう求めている。

 指名委員会を設けたり、設ける予定の企業は約半数にのぼるが、後継者に求められる資質・能力を文書に

 落とし込む作業などはなかなか進まず、試行錯誤が続く。経産省は17年12月から今年1月にかけて

 東証1部・2部上場の2569社を対象に計画の進み具合の調査を実施、941社からの回答を得た。

 これによると、社長やCEOの後継者に関する計画が存在しない企業は48%、計画が存在するか分からない

 企業は29%で、計画があると答えた企業の比率を大きく上回った。

 計画のない企業に理由を聞いたところ、「経営陣の意向が尊重されるため」という回答が半数を占めた。

 現経営者の任期・定年が来るまで時間があることから、具体的な議論に着手していない企業も多い。

  金融庁が開いている統治指針のフォローアップ検討会でも、取締役会で後継者計画の策定や候補者選びに

 十分な時間や資源が割かれているが,主な論点の一つになっている。指針適用から3年がたつなか、指針が示した

 理想像と現実の差を埋めていく作業には時間がかかりそうだ。

 

                        2018/3/6付日本経済新聞 朝刊より