useful世界のコーヒー消費、5年で25%増の見通し
更新日:2015.02.20|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 金融・マーケット国際コーヒー機関(ICO)によると、世界のコーヒー消費量は増え続けており、需要は向こう5年間で25%近く伸びると予想されている。
ICOのロベリオ・シルバ事務局長は「消費はインド、中国、それに中南米の消費傾向の西洋化が続いているのに伴って増えている」と指摘した。
シルバ氏は、ケニアの首都ナイロビで先週開かれたアフリカ・ファインコーヒー会議で、世界のコーヒーの需要が2020年までに1億7580万袋に達し、現在の1億4160万袋から大幅に増加するとの見方を示した。1袋の重量は約132ポンド(60キログラム)。
折しも、世界のコーヒー供給は減少し、これに伴いコーヒー相場が昨年、数年来の高水準に上昇している。世界最大の生産国であるブラジルでの記録的な干ばつが影響した。
シルバ氏によると、今年度の世界のコーヒー生産高は、前年度の1億4670万袋から1億4100万袋前後に減ると予想されている。ブラジルの干ばつや、菌類による植物病で中米の生産が減っていることなどが原因だという。同氏は「世界は生産をブラジルだけに頼り続けられない」と述べた。
今年は天候懸念によって、ブラジルの収穫高への不透明感が強まっている。ブラジル国家食糧供給公社(Conab)は今年の生産量が4410万〜4660万袋と、前年並みになると予想している。ただし、「全国コーヒー評議会」は生産量がもっと少ないとみており、4000万袋にとどまるだろうとしている。
シルバ氏は「ブラジルはさらなる干ばつに悩まされており、今回はロブスタ種の生育地域が影響を受けている」と話した。ロブスタ種はアラビカ種より苦みが強く、価格が安い品種。ブラジルでは両方の品種が栽培されている。
ブラジルの気象予報会社ソマルによると、ロブスタ種の多くが栽培されているエスピリトサント州の向こう1週間の降雨量は少ない状態が続くとみられている。同社の農業気象学者によると、サンパウロ、ミナスジェライス両州のコーヒー生産地では、より多くの降雨が期待されるという。両州ではアラビカ種が栽培されている。
コモディティー専門の米コンサルティング会社J・ゲインズ・コンサルティングの代表であるジュディス・ゲインズ・チェース氏は、次年度はベトナム、インド、それにインドネシアといった国々のコーヒー生産高が相場を安定させるには十分でないだろうと話している。この結果、来年度(10月〜)の世界のコーヒー在庫が400万袋減る可能性があると指摘している。
需給逼迫(ひっぱく)によって価格が押し上げられている一方で、市場は為替相場の変動にも苦しんでいる。
ブラジルレアルは対米ドルでほぼ10年来の安値水準にある。ブラジルの生産者や輸出業者はレアル安のときにコーヒーを売る傾向がある。ドル建ての売り上げをレアルに変える際に、より多くのレアルが得られるからだ。
週末13日のICEフューチャーズUSのアラビカ種先物5月限は、前日比0.6%安の1ポンド=1.6650ドルで取引を終えた。ロンドンの取引所のロブスタ種先物は1.1%高の1トン=2009ドル(ポンド当たり約0.91ドル)で引けた。
※NEWSPICSより抜粋