経営のことなら株式会社アルファ・コム

useful14年成長率は7.4%、目標に近い水準達成-刺激策が奏功

更新日:2015.01.20|お役立ち情報 お知らせ 新着情報

中国当局が講じた景気刺激策は、昨年終盤から効果を表し始めた。工業生産と小売売上高が拡大し、この結果、14年通年の成長は政府目標に近い数字となった。

国家統計局が20日発表した10-12月の国内総生産(GDP )は前年同期比7.3%増。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想中央値は7.2%増だった。14年全体 では7.4%成長で1990年以来の低成長だが、政府が掲げた7.5%前後の目標圏内に収まった。

中国景気の軟着陸は、勢いに欠ける世界経済の支援材料となる。国際通貨基金(IMF)は19日公表した世界経済見通し(WEO)で、今年の世界経済成長率予想を下方修正した。引き下げ幅はこの3年間で最大だった。中国人民銀行(中央銀行)は昨年11月、約2年ぶりの利下げを実施。また需要喚起を狙い、対象を絞った措置を通じて流動性を拡大してきた。

INGグループのアジア調査責任者、ティム・コンドン氏(シンガポール在勤)は「昨年初めにはハードランディングへの懸念が広がったが、14年の中国経済は際立つ内容だった」と指摘。「中国当局は目標に近い成長を維持し、シャドーバンキング(影の銀行)や地方政府の資金調達といった経済改革のテンポを速めながら、不動産の過熱抑制策も続けることができた。これは対象を絞った措置の有効性を示している」と述べた。

クレディ・アグリコルCIBのアナリスト、ダリウス・コワルツィク氏(香港在勤)は「中国経済が予想よりも良い状態で15年に入っており、市場は安堵(あんど)するだろう」と指摘。「今回の統計で追加刺激策の必要性が後退した。ただリスクは下振れで、緩和の余地が若干残っている」と述べた。

 000cf1a48a860bef11eb01

不動産の落ち込み

統計局が同時に発表した12月の工業生産 は前年同月比7.9%増。市場予想の中央値は7.4%増。11月は7.2%増だった。12月の小売売上高 は同11.9%増。エコノミスト予想は11.7%増。14年の都市部固定資産投資 は前年比15.7%増で、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値と一致した。

10-12月GDPのエコノミスト予想は前年同期比6.9-7.6%増の範囲だった。同四半期は前期比ベースでは1.5%増と、7-9月(第3四半期)の1.9%増に比べて伸びが鈍化した。

UBSグループの中国担当チーフエコノミスト、汪涛氏(香港在勤)は「不動産関連の弱さが原因で、10-12月期の成長の勢いは7-9月期より鈍った」と指摘。「不動産の落ち込みは深まり始め、重工業や関連投資の足も引っ張っている。不動産は今年引き続き成長の重しとなるだろう」と述べた。

※ブルームバーグより抜粋