useful20年卒の採用さらに早く、3割が前倒し ディスコ調べ
更新日:2018.07.27|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 ビジネス 経済早期化が目立つ採用活動だが、2020年卒の学生はさらに早くなる――。就職情報大手のディスコ(東京・文京)の調査でこんな結果が明らかになった。20年卒も6月の面接解禁など“公式スケジュール”は19年卒と変わらないが、3割の企業が活動開始時期を早めると答えた。15%の企業が採用人数を増やすとも答えており、人材獲得競争が一段と激しくなりそうだ。
2020年卒学生の就職活動は早くも始まっている(5月、東京都世田谷区)
全国の主要企業を対象として、6月25日~7月3日にネットで調査。1329社から回答を得た。
20年卒の採用活動の開始時期について聞いたところ、学生が企業に情報を登録するエントリーの時期を「早める」と答えた企業は27.8%に達した。自社の説明会についても30.2%が早く始めると回答した。
経団連は19年卒学生について、加盟企業に3月以降の説明会の解禁を求めたが、実際には2月以前に事実上の説明会となるイベントを開くケースが多かった。今回の調査でも19年卒学生に向けて3月より前に自社説明会を始めた企業は21.1%と、18年卒を7.4ポイント上回った。
面接の開始時期も「早める」という答えが30.6%に達し、内定を出す時期は29.2%が早くすると答えた。経団連の指針では面接や内定出しは6月が解禁。ただ、19年卒では3月下旬から4月中旬に始めた企業も多くなっている。
一方、20年卒の学生の採用人数見込みについては「増える」と答えた企業が15.3%で、「減る」の4.9%を大きく上回った。採用計画数の増加が続くが、就職希望の学生の人数はほぼ横ばいのため、20年卒も売り手市場の傾向が強まるとみられる。
ディスコの武井房子上席研究員は「売り手市場を背景に足元の19年卒の採用計画を充足できていない企業が多く、来年に向けてさらに採用意欲が高まっている」と分析する。今回の調査では内定者充足率は60.6%だった。ただ採用を終えていない7割以上の企業に絞ると49.2%で、83%が「危機感がある」と回答した。
大阪府内のある食品メーカーも内定充足に苦しむ。昨年12月ごろから説明会や選考を始め、3月中に内定を出した。ただ5月中旬以降から内定辞退も急増し「一歩進んで二歩下がる状態」(採用担当者)。結果的には翌年入社の充足と翌々年入社の選考などで、実質的に通年採用になっているという。
武井氏は「内定出しの山場の時期も早まる。学生にとっては短期決戦かもしれないが、企業にとっては時期を早めても採用計画を満たせるとは限らず、さらに長期戦になる可能性もある」と指摘している。
※日経新聞より抜粋