useful3分講義!『行動経済学を活用したマーケティング入門』
更新日:2019.07.17|お役立ち情報 お知らせ 新着情報 ビジネス ライフ 経済皆さん、こんにちは!
本日は『行動経済学を活用したマーケティング入門』のご紹介です。
「マクロ経済学」や「ミクロ経済学」は皆さんもご存知だと思いますが、「行動経済学」という学問は聞きなれない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
行動経済学とは、語弊を恐れずに一言で表すと経済学と心理学をミックスした学問です。
2002年にダニエル・カーネマン氏がノーベル経済学賞を受賞して以降、注目を浴びている学問の1つです。
前提として伝統的な経済学に「経済人」という概念があります。
経済人というのは、経済合理性のみに基づいて個人主義的に行動する、すなわち自分の利益のみを考え、自分の利益が最大化するように常に合理的な行動を取る存在という前提で考えられています。
ところが、人間は必ずしも常に合理的な行動をするとは限りません。 ボランティアや募金はその典型です。仕事を休んだりしてボランティアに参加したり、募金をしたりするということはここでいう「経済人」であればしないでしょう。
何よりも我々人間には“感情”があります。つまり感情に流されて合理的な選択、行動ができないことがあります。
今までの経済学ではこの感情が考慮されず、ようやく考慮に入れた学問が「行動経済学」です。
今回はそんな行動経済学の中からマーケティングに活用できる理論を3つご紹介していきます。
⑴プロスペクト理論(損失回避性)
人間は、利益が手に入る可能性のある場面では「利益が手に入らない」ことを、損失の可能性がある場面では「損失すること」を回避しようとする傾向を持ちます。
このような人の性質を説明しているのがプロスペクト理論です。
プロスペクト理論をマーケティングで応用している事例でわかりやすいのは、景品のプレゼントや商品の値下げに関して「先着○○名様限定」や「△△日まで!今だけです!」のように期限を設ける方法です。
早めに申し込まなければ「受けられたはずのプレゼントや値下げが受けられなくなる」という損失を被る、と消費者に思わせることで、商品の購入に繋げられます。
※「限定」と表示しているのみで、事実上いつまでもプレゼントや値下げ価格での販売を行っていると景品表示法違反となる可能性があります。
⑵サンクコスト(埋没費用)とコンコルド効果
「わざわざ遠くまで出かけてきたのに何か買わないともったいない。」と思ってついつい余計な買い物をしてしまったことがある方は少なくないのではないでしょうか。
また、1800円のチケットを買って観た映画があまり面白くないものの、「せっかく買ったのだから最後まで見よう。」といった経験のある方はいらっしゃいませんか。
このように費やしてしまって取り戻すことのできない時間やお金、労力のことをサンクコスト(埋没費用)、サンクコストが私たちの判断に損切りできない心理をもたらす効果をコンコルド効果といいます。
活用例としては「おためし版」、一定の価格を支払う「○○放題」があります。
「一回やってみようかな」と思わせて商品やサービスを体験させ、そこから「かけた時間やお金がもったいない」と思わせるところまで持っていくことがコツです。
⑶アンカリング効果
アンカリング効果は、最初に印象的な数値や情報を与え、その後の意思決定に影響を与えることを指します。
広告で良く使われる「通常価格〇〇〇円のところを、◇%オフの△△円で販売します!」といった値下げ表示、これはアンカリング効果を狙っての戦略であると言えます。
競合他社の商品を含め、標準的な販売価格が知られていない(買い手の中でアンカリングがされていない)商品やサービスほど、値下げ広告の効果が期待できます
以上3つの理論をご紹介しました。
行動経済学には他にもまだまだビジネスや日常に応用できる理論がたくさんあります。
気になる方は是非書店やネットでチェックしてみてください!!