usefulキャリアアップ助成金、県内でも利用進む 雇用転換144人・14年度、支給換算
更新日:2015.08.11|お役立ち情報 ビジネス 地域派遣社員を派遣先で正社員採用したり、職業経験が少ない若者らを“試行雇用”する際の助成金の利用が県内でも進んでいる。中でも「キャリアアップ助成金」を活用して県内事業所に正規雇用・無期雇用された労働者は2014年度支給換算で144人に上る。同助成金は派遣労働者を正規雇用した際の企業側への支給額が最大80万円など本年度まで拡充されている。山形労働局はさらなる活用を呼び掛けている。
キャリアアップ助成金は13年度に始まった国の助成制度。徐々に助成額が拡充され、中小企業が有期の派遣労働者を正規雇用した場合は1人当たり80万円、直接雇用ながら有期契約の労働者を正規雇用に転換した場合は1人当たり50万円が企業側に支払われる。助成金を利用して正規雇用や無期雇用に転換された県内労働者は、転換から半年後に支払われる制度上、13年度は2人だったが、制度の周知が進み、14年度は急増した。
同助成金制度では、中小企業が有期契約の労働者らのキャリアアップを図るため、職業訓練を実施する際に1人1時間当たり800円を支給するコースも設けられている。
また、適正や能力を見極めてから正式に採用するため、若者らを最長3カ月間試行雇用できる「トライアル雇用奨励金」を活用して試行雇用された県内労働者は14年度支給換算で551人に上る。551人中、382人がその後、常用雇用された。試行雇用期間に1人当たり最大月額4万円(ひとり親家庭の父母の場合は5万円)が支給される制度。▽高校や大学を卒業して3年以内で、卒業後安定した職業に就いていない▽離職期間が1年を超えている―などの求職者が対象になる。
いずれも正社員化を後押しする制度だ。パートやアルバイトの場合、勤続年数を重ねて経験を積んでも収入はほとんど増えず、45~54歳では賃金が正社員の半分以下といわれている。正社員になり生活を安定させることは、家庭を持ち、子どもを育てる循環にもつながると期待されている。同労働局職業対策課は「企業側にもメリットの大きい助成制度。ぜひ活用してほしい」と話している。問い合わせは同課023(626)6101。
※山形新聞より抜粋